通信システムのシミュレーション手法の一つとして離散事象シミュレーション(DES)が用いられる。 通信システムの高速/大規模化に伴い、シミュレーションに時間を要するようになり、 並列DESの枠組みに基づく高速化が研究されている。 近年、密結合並列機で成るノードを通信ネットワークで疎結合したハイブリッド並列環境が 広まっているが、ノード内の共有メモリを活かしたハイブリッド並列処理方式が 数値計算分野では性能を引き出せない例も報告されている。 本稿では、並列DESとハイブリッド並列環境の関係について、論理プロセスのモデル化や性能の 観点から考察する。